研究概要 |
水酸化ニッケルの単層ナノクラスター(Ni-MNC)について、放射光の実験による局所構造の解析を行った。これまでの解析に加え、2次元性の再確認ができた。 鉄原子を含むナノ微粒子に関しては、X線回折、化学分析の結果から、粒径が2〜30nmの鉄酸化物(γ-Fe_2O_3,およびα-Fe_2O_3)が生成していることを確認した。この鉄酸化物微粒子は、熱処理の条件によってγ相からα相へと転移していくことがわかった。特に、1023Kで焼成した試料においては、γ相とα相が共存し、このサイズでは非常に珍しく室温で1500Oe程度の保磁力を持っ。さらに、γ相からα相への転移の過程を明らかにする1つの手段として、TG-DTA(重量示差熱分析)の測定を行った。この微粒子は、テラバイトレベルの磁気記録媒体としての可能性があるため、各界より注目を集めた。 これまでに得られた、Ni(OH)_2の単層ナノ微粒子を773K以上で焼成することにより、酸化ニッケル、NiOのナノ微粒子の作成に成功した。通常、バルクのNiOは、520K以下では反強磁性にオーダーすることが知られているが、今回得られた微粒子は、300K〜30Kでは超常磁性的ふるまいをし、5Kではわずかながらヒステリシスを持つ、強磁性的ふるまいを示した。 平成13年6月 Porf. Hofflmann退官記念国際シンポジウム参加(ドイツ・レーゲンスブルク) 平成13年9月 日本物理学会秋季大会にて発表(徳島) 平成13年9月 東京大学大学院理学研究科太田研究室にて講演 平成13年11月 熱測定国際シンポジウムにて発表(横浜) 平成13年11月 RSP事業、新技術フォーラムにて講演 平成14年3月 ICMFS国際会議にて発表(京都) 平成14年3月 東京工業大学大学院理学研究科小国研究室にて講演予定 平成14年3月 日本物理学会第57回年次大会にて発表予定(びわこ草津)
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