研究課題/領域番号 |
12650012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
生田 博志 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30231129)
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研究分担者 |
琵琶 哲志 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50314034)
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キーワード | 高温超伝導体 / 溶融バルク体 / 捕捉磁場 / 酸素拡散速度 / Yba_2Cu_3O_7 / (Nd, Eu, Gd)Ba_2Cu_3O_7 / DyBa_2Cu_3O_7 / CeO_2添加 |
研究概要 |
高温超伝導溶融バルク体は、捕捉磁場などの応用上重要な特性はすでに高いレベルに達しているが、試料が磁気応力で破壊されたり、急激な温度昇降に弱いことが問題である。そこで、本研究では試料に含まれる各相の濃度比や焼成条件によって微細組織を制御し、機械強度との関連を調べることを目的としている。 昨年度までの研究で、銀添加や雰囲気制御などにより、空孔やクラックを除去することで試料の機械的強度が向上することが明らかになった。しかし、バルク超伝導体の作製過程では酸化処理が律速段階であるため、このような緻密な試料を有効に酸化する必要がある。そこで、Sm系とY系試料の酸化過程を詳細に調べた。その結果、系の差よりも銀添加の有無による試料組織の違いが酸素の拡散速度に影響すること、銀添加した試料は欠陥が少ないために酸化に要する時間が長いこと、Sm系では350℃以下の低温酸化処理が重要であることなどが明らかになった。 また、本年度は高い臨界電流密度(J_c)を有しながらもそれに見合うだけの捕捉磁場が報告されていなかったNd-Eu-Gdの3元系にも取り組み、直径36mmまでの単一結晶粒試料の作製条件を確立した。捕捉磁場は液体窒素温度で1.4T、20Kで8.2Tに達し、同じ銀添加量のSm系に匹敵する捕捉磁場と機械強度を有することがわかった。さらに、Dy系では直径18mmという小型の試料でも18Kでの捕捉磁場が5.7Tに達し、この系も応用材料として有望であることがわかった。一方、元々機械強度が高いY系にCeO_2添加を行ったところ、捕捉磁場が大きく増大し、直径18mmにも関わらず25Kで6.2Tの捕捉磁場を得た。したがって、この系にさらに銀添加を行うことで、捕捉磁場と機械強度が両立する可能性が示された。
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