研究課題/領域番号 |
12650028
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
福田 安生 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30208970)
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研究分担者 |
眞田 則明 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (00226028)
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キーワード | GaP(001) / 表面 / 原子細線 / In / ターシャリブチルフォスフィン / トリエチルインジウム / 吸着 / 分解 |
研究概要 |
GaP(001)面には(2x4)及び(2x1)があり、どちらの表面にIn原子細線が形成されやすいか判っていない。従って、これまでにほとんど研究されていない(2x1)表面の形成方法を詳細に研究し次の結果を得た。(1)P源であるt-butylphosphine(TBP)は表面第1層に存在するGaダイマーに吸着する。(2)350℃でTBPを吸着させると部分的に(3x2)構造が形成されるが、全体には広がらない。(3)さらに吸着量を増加させると表面全体はディスオーダーになる。(4)さらに吸着量を増加するとPの吸着量は増加しないが、(2x1)構造が現れる。以上の結果より、(2x1)表面の形成には充分なP量とアニール時間が必要であることを明らかにした。また、350℃における(2x1)表面の安定性を調べた結果、超高真空中で約100分アニールすると(2x4)構造が現れることを見出した。In細線を形成するための碁礎実験として(2x1)表面にtriethylindium(TEI)を吸着させ、その分解過程を調べ、つぎの結果を得た。(1)TEI分子は100Kで分子状で吸着し、昇温とともにエチルラジカル及びエチレンに分解して脱離する。(2)(1)の結果は(2x4)表面での結果(エチレンのみが生成する)と全く異なる。(3)エチルラジカルの脱離の活性化エネルギーは93KJ/molと見積もられた。(4)(2x1)と(2x4)表面におけるTEIの分解過程の相違は表面に存在するGa原子数によると推測された。 以上の結果を考慮して、現在In原子細線の形成方法を研究中である。
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