研究課題/領域番号 |
12650029
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
須藤 孝一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90314426)
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研究分担者 |
岩崎 裕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029901)
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キーワード | シリコン / シリコン酸化膜 / 界面ラフネス / ステップ / 自己組織化 / 走査トンネル顕微鏡 / 表面ダイナミクス |
研究概要 |
今年度の研究で得られた成果は以下の通りである。 1.高温下でのシリコン表面における原子ステップの運動を走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて調べた。まず、Si(113)表面のファセッティング過程におけるステップの運動機構に関して、連続体ステップモデルに基づいて定量的に解明し、ステップの運動を予測するためのシミュレーション手法を開発した。また、フォトリソグラフィーを用いてSi(001)表面上に500nm程度の周期の格子構造を形成し、加熱時の構造変化に伴うステップの挙動を明らかにした。この場合にも連続体ステップモデルに基づいて構造変化のシミュレーションが行えることを示した。以上の結果は、連続体ステップモデルがナノメートルスケールでのシリコン表面の構造変化を定量的に扱う方法として有効であることを示しており、今後ステップ配列制御を行うための様々な表面プロセスに関して、ナノレベルでの表面構造変化を予測するシミュレーション手法としの応用が期待される。 2.超高真空下でSTM探針を用いてシリコン酸化膜表面に低速電子線を照射して酸化膜を選択的に剥離し、シリコン基板とシリコン酸化膜界面の界面ラフネスをSTMによりサブナノメートルの解像度で評価する手法を開発した。この手法を用いて工業的に重要なSC1洗浄表面に形成された化学酸化膜に関して界面ラフネスの評価を行った。また、Si(001)2×1清浄表面を酸素に暴露して室温酸化および熱酸化を行い、SiO_2/Si界面ラフネスの評価を行った。その結果、室温での酸素暴露で形成された酸化膜は原子レベルでの凹凸構造が多くテラス・ステップ構造が消失しているのに対し、熱酸化膜界面ではテラス・ステップ構造が存在しており界面がより平坦であることが分かった。今後、この評価手法を利用して、原子レベルでより平坦な界面を形成するための酸化条件を明らかにして行く予定である。
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