| 研究概要 |
フォトニック結晶超小型光波回路の解析理論を開発し,光波回路の構成に必要な曲がりや分岐など,個々の回路エレメントの特性を明らかにしたうえで,光波回路の最適構造を探索することを目的として研究を進め,下記の成果を得た.
1.フォトニック結晶光波回路の解析理論として,様々なフォトニック結晶構造に対応可能な有限要素法を基づく解析シミュレーション法を開発した.具体的には,バンド構造計算やフォトニック結晶光導波路の固有伝送モード計算のための周波数領域有限要素法,また,フォトニック結晶光波回路の伝送特性を広帯域にわたって評価するための時間領域ビーム伝搬法を新たに開発した.
2.フォトニック結晶光波回路の機能性を高めていくには,光波伝搬を制御するための様々な物理効果を積極的に導入する必要がある.ここでは,電気光学効果,音響光学効果,磁気光学効果,熱光学効果,非線形光学効果を駆使したフォトニック結晶光波回路を構成するための基礎となる解析理論を開発した.
3.フォトニック結晶光導波路方向性結合器と低損失直角曲がりを有効に利用した光合分波回路(Multiplexer-Demultiplexer:MUX-DEMUX)を提案し,その波長特性を予測した結果,2チャンネルのMUX/DEMUXでは,サブミリメートル程度の大きさで,高密度波長多重伝送向けの波長フイルタが実現可能であることを明らかにした.
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