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2001 年度 実績報告書

疲労損傷過程における超音波波形の変化と損傷予測への適用

研究課題

研究課題/領域番号 12650071
研究機関埼玉大学

研究代表者

加藤 寛  埼玉大学, 工学部, 教授 (80107375)

キーワード疲労損傷 / 超音波測定 / 塑性ひずみ / 波形解析 / 黄銅 / アルミニウム合金 / 損傷予測 / NDT
研究概要

本研究は,低サイクル疲労から高サイクル疲労までの広い範囲の応力振幅条件における疲労損傷過程に注目し,疲労き裂の発生位置及び発生時期を超音波波形の変化から予測するための評価法を確立することを目的としている。本年度は,深い切欠きを有するAl合金試験片並びに湾曲した側面を有する黄銅試験片を用いて疲労試験及び超音波測定を行い,以下の諸点を明らかにした。
Al合金試験片を低サイクル疲労条件で疲労試験し,試験片底面からの超音波反射波をFFT解析して得られた超音波スペクトル,底面反射波スペクトルと表面反射波スペクトルとの比(伝達関数)の変化を調べた。切欠き底近傍でそれらの2次元分布を測定した結果,荷重繰り返し数の増加に従って伝達関数の平均勾配は一様に変化していくこと,特に切欠底前面に変化領域が形成されることが分かった。また,伝達関数の平均勾配及びピーク強さを用いてマハラノビスの距離による判別分析を行い,切欠き底近傍においてき裂発生との関係を得た。次いで,超音波顕微鏡を用いて同様の領域において測定を行い,切欠き底近傍において超音波画像は材料組織に起因して変化したが,画像から特徴量を抽出することはできなかった。
黄銅試験片を疲労試験し,超音波スペクトルのピーク周波数,ピーク強さ及び伝達関数の平均勾配の変化を調べた。その結果,伝達関数の平均勾配は荷重繰り返し数に従って変化していった。しかし,伝達関数平均勾配の2次元的な分布には,試験片中央部近傍の側面に微細き裂が発生しても,変化は見られなかった。これは,試験片の塑性変形量が10%以上であったため,平均勾配が収斂して,変形量依存性を示さなくなったためと思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 加藤 寛, 加藤洋範, 蔭山健介: "湾曲した側面を有する黄銅平板の疲労損傷過程における局所変形"日本機械学会平成13年度材料力学部門講演会講演論文集. 137-138 (2001)

  • [文献書誌] 俣野敏光, 加藤 寛, 蔭山健介: "切欠きを有するAl合金平板の疲労損傷過程とその超音波評価"日本機械学会第9回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集. 43-44 (2001)

  • [文献書誌] 加藤 寛, 加藤洋範, 蔭山健介: "Ultrasonic Evaluation of Local Deformation of Brass Plates with Curved Sides in Fatigue Damaging Process"Proceedings of 8th International Fatigue Congress(FATIGUE2002). (印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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