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2000 年度 実績報告書

柔軟体の構造式と搬送時の挙動解析理論に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12650083
研究機関京都大学

研究代表者

島 進  京都大学, 工学研究科, 教授 (70026160)

研究分担者 小寺 秀俊  京都大学, 工学研究科, 教授 (20252471)
キーワード柔軟体 / 紙の機械的性質 / 湿度 / 塑性異方性 / 圧縮性 / 搬送
研究概要

本課題で対象とする柔軟体は,プリンタに使用する「紙」である.紙はセルロース繊維が絡み合い,結合した構造をしている.紙が使用,保管される環境は様々に異なるが,これは繊維同士の結合や,繊維自体の性質に影響を及ぼす.プリンタ等の紙送り機構において,紙はローラーによって搬送される.このとき紙は引張り,圧縮,曲げの力を受け変形する.これらの機構において使用される紙の変形特性が異なることは,紙詰まり,印刷不良の原因となる.よって,これらのシステムの信頼性を高めるためには,紙の力学的特性を知る必要がある.そこで本研究では,紙の引張試験と圧縮試験を行い,引張り及び圧縮変形特性に与える湿度の影響について定量的に求めた.同時に,搬送時における紙の挙動を正確に把握するためには,紙の力学的構成式を確立する必要があり,これについても検討を行った.さらに,以上の構成式を用いて,ローラー間で圧縮された場合の紙の挙動のシミュレーションを行った.
得られた主な成果は次の通りである.
1.引張試験から,弾性定数は湿度50%以下では湿度の増加とともに大きくなり,50%以上では湿度の増加とともに小さくなる結果が得られた.
2.破断時の応力は湿度が上昇するにつれて減少し,破断までに生じるひずみは湿度の増加の増加とともに大きくなった.
3.また,圧縮試験において,最大ひずみは湿度の増加とともに増加する結果が得られた.しかし,塑性ひずみは湿度が70%以下では湿度の上昇の増加とともに増加するが,湿度95%では減少することがわかった.
4.紙の異方性ならびに圧縮性を考慮した塑性構成式を提案した.実験結果をかなり良く表現し得ることを示した.
以上の成果の一部について,平成13年度塑性加工春季講演会に発表の予定である.来年度は,さらにこの研究を継続し,搬送における検討ならびに実験検証を行いたいと考えている.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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