研究概要 |
本研究における柔軟体とは,紙やフィルムを意味し,その搬送とは,プリンターや複写機や輪転機におけるローラーによる紙・フィルムの送りを意味する.また,ATMなどのベルトで挟み搬送する紙幣用機器においても,柔軟体である紙幣とベルトによる送りも含む. 本研究は,上記に定義した「紙」の搬送過程における変形挙動の解析を実現することを最終目標として,その第一段階として,「紙」が搬送過程においてローラーやベルトで挟まれた時に生じる弾塑性変形挙動を支配する「構成式」を求めることを目的としている.さらに,「柔軟構造物の搬送時の挙動を解析するための数値解析システム」を開発することを第二の目的とする. 最終年度は紙の搬送時における変形挙動を解析するための構成式を作製し,それを用いて変形時の応力状態を解析し,実験値と比較することで,作製した構成式の有効性に関して考察した.しかし,本年度に修正を加えた構成式では,面外圧縮時における面内変形の異方性を正確に表現することは困難であった.今後,問題点を解決するための構成式の研究を続ける予定である.
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