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はんだ接合部の疲労破壊試験を実施した。そのためには、微小な荷重・変位範囲を制御できる試験機が必要となる。ここではステッピングモータを利用した、変位制御疲労試験機を試作した。はんだの接合部モデルとして、実際に使用される部品の二倍の寸法を持つ接合部を作成した。はんだに含まれるフラックス量を変化させて、三種類のはんだを用いた。はんだへの通電、切断のサイクルにより、はんだ部には繰り返し熱応力が発生する。これを定変位の繰り返し試験により模擬した。繰り返し変位量は過去の申請者の熱変形有限要素法解析の結果を基に決定した。疲労寿命の決定は、反力が急激に低下する時点とした。フラックス量と疲労寿命との間に相関関係が認められた。これは、試験後のはんだ接合面を観察して、非接合面を考慮した結果得られたものである。はんだ接合面には、非接合面として、多数の空孔があることが確認できた。空孔の大きさ、分布はフラックス量により変化することが測定により分かった。すなわち、空孔の存在がはんだ接合部の疲労寿命と密接に関係していることが確かめられた。また疲労破面上には疲労き裂の進展方向に対してそれと直行する分岐き裂が多数存在していることがわかった。これははんだが上下面をはんだより硬い材料にはさまれており、その中を疲労き裂が進行するために、き裂先端が純粋モードIではなく、モードIとIIの混合モード状態になっているためと推定できる。このように、はんだ内部での疲労き裂進展に及ぼす因子として、空孔の存在、混合モード等があることが分かった。これに基づいて、現在損傷解析のためのモデル作成を進めている。次年度には損傷解析を実施する予定である。
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