| 研究概要 |
本研究は,ステンレス鋼板や家庭用品のヘアライン仕上面,あるいは磁気ディスクやハードディスクのテクスチャリング仕上面などを対象として,傷などの欠陥を検出すると共に熟練技術者が目視により専門的で特有な表現で評価している仕上面の特徴を数値化し,その評価システムの構築を試みることを目的としている.本研究では,まずヘアライン仕上面に着目し,前加工面の研削痕が残っていたり,搬送中に生じた欠陥の検出を試みた.次に,ヘアラインの連続性を評価するテクスチャ解析の手法より製品検査システムの構築を試みた.さらに,鏡面仕上げされた表面の形状に関する評価方法も検討した.本研究で得られた成果の概要は,下記の通りである.
1.ヘアライン仕上面を評価するための画像処理方法
ヘアライン仕上面を評価するための画像処理方法として同時濃度生起行列を計算した.その結果,それから得られる各特徴量の値と仕上面状態との対応関係が明らかになり,ヘアライン仕上面の判定が可能であることがわかった.
2.評価パラメータの決定と評価方法の検討
ヘアライン仕上面を具体的に評価するにあたって,重要な特徴量が存在することが明らかにできた.さらに,それらの値を組み合わせる評価値により,簡便にヘアライン仕上面が評価できることを確認した.
3.鏡面形状の評価方法
鏡面の形状を評価する方法として,対象面に白黒2値の格子パターンを投影し,その画像中の直線の乱れを検討した.投影された画像に対し2次元離散的フーリエ変換を施した結果,パワーの分布を調べることにより,鏡面の平滑さの評価が可能であることがわかった.
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