研究概要 |
工具傾斜角度を0°としたボールエンドミル加工において,工具先端形状が表面粗さに及ぼす影響について検討を行った.工具傾斜角度0゜の加工では,工具先端形状が仕上げ面の凹凸に直接影響を及ぼすことから,工具先端形状を工作物に転写させて測定する方法を試み,試作した工具形状測定装置によって測定した結果と比較することで,その有効性を確認した.さらに,工具先端形状を測定したボールエンドミルを用いて加工を行うことで,仕上げ面の表面粗さと工具先端形状との関係を調べた.その結果,先端部が円弧状の工具に比べて,先端部が平坦な工具の方が表面粗さを小さくできることを明らかにした. また,5軸制御マシニングセンタを用いたボールエンドミル加工において,曲面として円筒面および球面に規則的な凹凸模様を形成する方法について検討した.工具の移動時間を管理して工具切れ刃の位相差を制御することで平面に規則的な凹凸模様を形成する方法を応用して,円筒面に規則的な凹凸模様の形成を試みた.実験結果とシミュレーションから,CAMにおける送り速度の与え方,微小ブロック間の距離によって,凹凸模様を構成する多角形の配列が不規則になることがわかった.さらに,多角形の配列が不規則になる要因について検討した結果,全ブロックに送り速度を与え,微小ブロック間の距離を一定にして,工作物上での実際の速度を考慮することによって,円筒面および球面に規則的な凹凸模様が形成できることが明らかになった.
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