研究概要 |
1.ニッケル箔(20〜50μm)及び銅箔(板厚20〜50μm)の深絞り成形特性を検討した.板厚が成形特性に及ぼす影響や材質が成形特性に及ぼす影響を考察することができた. 2.しわを抑制するために深絞りには補助薄板としてポリエチレン薄板及びナイロン66薄板を用いた.また,ダイス,しわ押さえ板と金属箔素板との均一接触を目的として樹脂製ダイスの使用も試みた.銅箔の場合,ナイロン66薄板と樹脂製ダイスの使用はしわを非常に効果的に抑制することがわかった.また,しごきをわずか加えることで,しわ抑制効果はさらに向上する. 3.極薄板化にともない破断及びしわを抑制するためのしわ押さえ圧力の許容負荷経路領域はせばまる.この場合,金属箔を単独で成形するときはしわ押さえ圧力の行程中の調整が必要になる.一方,適正な変形抵抗を有する補助薄板を利用すると補助薄板の効果によりしわ押さえ圧力の行程中の制御を特に必要としないようである.補助薄板の利用は金属箔単独での深絞りで遭遇する問題を容易に解決しうる.すなわち,成形を容易にする. 4.極薄肉部品を深絞り成形するためには,絞り変形のほかにも加工中に材料が受ける他の変形(張出し変形や曲げ変形など)の検討も必要となる.そこで,これらの変形に関する検討も行なった.絞り変形,張出し変形,曲げ変形などが相互に関連し成形性に影響を及ぼす. 5.金属箔を成形する場合の新たな加工法の検討をいくつか行なった.
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