研究概要 |
本研究では光造形法と型技術を組み合わせた微小部品の量産手法を提案している.装置の構成を大別すると(1)CAD/CAMシステムを含むソフトウェア部と(2)光造形装置を含む造形機,そして(3)型内のキャビティ,コア,ランナーなどを作成する微小加工装置となる.今年度は(1)ソフトウェア部と(3)微小加工装置の開発を行った.また,使用する光硬化性樹脂の硬化特性の調査を行った.現在は本研究の為のマイクロ金型を設計し,作成している.現在まで開発したソフトウェア,装置の仕様を以下に示す. (1) CAD/CAMソフトウェア:このソフトウェアはまず作成物の形状を定義し,その形状を積層形に変換する.そして,微小加工装置用のカッターパスを作成する. (2) 微小加工装置:この装置は先端が鋭利になっているダイヤモンド触針を試料に押しつけ,引っ掻くことにより加工する.装置の分解能は面方向で1μm,加工深さは数100nmのレベルで制御できる.加工できる大きさは面方向で5mm四方である. 現在の研究過程から,サブミリメートルレベルの微小プラスチック製品を大量に生産する金型は作成できる見通しを得た.しかし,離型時に非常に大きな力を有することが予備実験により確認されており,製品の変形,われが生じ,信頼性,精度の面で問題がある.今後はそれらの点を材料面,表面形状の面から検討し,解決を図っていく予定である.
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