研究課題/領域番号 |
12650130
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
是田 規之 崇城大学, 工学部, 教授 (20269103)
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研究分担者 |
三浦 精 崇城大学, 工学部, 教授 (00066169)
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キーワード | ボールエンドミル加工 / 表面粗さ / 工具軸傾斜方向 / 工具軸傾斜角度 / 双方向切削 / MQL加工 / マグネシュウム合金 / プリハードン鋼 |
研究概要 |
平成13年度の研究で、プラスチック金型に多用されるプリハードン鋼のボールエンドミル工具軸を傾斜させた一方向切削の場合、切削方向の表面粗さとピックフィード方向の表面粗さとも最適傾斜方向と最適傾斜角が存在し、工具の中心切刃形状・シンニング量など表面粗さに及ぼす因子の効果がかなり明らかになった。 本年度は従来の研究成果を同時5軸加工に適用する際ベースデータとなる双方向切削、即ち往復切削において被削材をMg合金、プリハードン鋼とした場合に、工具傾斜方向、傾斜角度を変えて切削を行い表面粗さなどの表面特性を一方向切削と双方向切削に対し比較検討した。 この結果、切削送り方向表面粗さは、Mg合金切削では一方向切削と双方向切削の差は認めなかったが、プリハードン鋼ではやや一方向切削がよかった。ピックフィード方向表面粗さはMg合金切削では工具傾斜角度の大小により差があり、工具傾斜角が大きくなると一方向切削がよかった。プリハードン鋼の場合、工具傾斜方向、傾斜角度にかかわらず一方向切削が表面粗さが一般的に良好であった。以上の結果は、一方向送り切削ではアップカット&ダウンカットの組合せ、双方向切削ではアップカット&アップカットまたはダウンカット&ダウンカットの組合せが原因で、切削機構の差によるものと思われるが明快な結論は得られなかった。 さらに、プリハードン鋼の垂直軸ドライ切削において、表面粗さと切削距離との関係を実験的に求めた。また、金型加工においては表面粗さを長時間良好な状態に維持することが眼目であることを考慮し、その上地球環境にもやさしい植物油を微少量供給する所謂MQL (Minimal Quantity Lubrication)加工も実施した。 この結果、ドライカットで通常観察される工具の初期磨耗、定常磨耗が認められたが、MQL加工では定常磨耗がドライ加工の1/3と激減し、良好な表面粗さを維持することが分かった。今後更にこの成果をしたい。しかし、加工変質層は深く研究できず、今後の課題としたい。
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