研究概要 |
1.微小径円筒部品の振れ回り軌跡と真円度の光学式同時測定方法の確立 円筒体側面より光ビームを照射し,円筒体を挟んで光軸上に配置された2分割光検出器で,円筒体によりさえぎられなかった光量を測定し,各検出器信号の差をとると円筒体軸心の横方向変位が間接的に求められる.これを2光束直交配置し,リサジューをとれば面内振れ回り軌跡が測定できる.また,この2光束は本研究者らが先に開発した光学式仮想Vブロックの挟み角90゜の場合に相当するので,これに変位計に相当するもう1光束を追加することにより真円度の測定が可能となる.さらに,回転振れ回り,真円度の両測定とも共通の光検出器を用い,その配置は固定なので同時測定を行える. 真円度測定においては,Vブロックの挟み角と変位計設置角度との相対的関係により.真円度プロファイルの山数成分ごとにその検出感度が異なる.そこで,20山成分までで検出感度が極端に小さくならない変位計設置角度を数値計算シミュレーションにより決定した. 2.測定システムの試作 測定システムは3組の光検出ユニット,信号処理ユニットおよびデータ解析ユニットから成る.光検出ユニットは円筒体の回転振れ回りによる透過光量の変動を検出する.測定対象として直径1mm以下の微小径円筒を想定した場合,光源にLD(レーザダーオード)やLED(発光ダイオード)を用いると円筒体による光ビームの遮断特性が良好でないため,高い測定精度を求めることはできない,そこで.LDとLEDの中間の光学特性を持ち,光の遮断特性が良好なSLD(Super Lumineccent Diode)を光源とした.信号処理ユニットは検出信号の差動増幅を行い,データ解析ユニットはA/D変換後の信号を真円度成分と振れ成分とに分離し,計算処理を行って真円度プロファイルと振れ回り軌跡を表示する.
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