研究課題/領域番号 |
12650139
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
柳 和久 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80108216)
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研究分担者 |
笹島 和幸 東京工業大学, 情報理工学研究科, 教授 (80170702)
原 精一郎 東京工業大学, 情報理工学研究科, 助教授 (40293253)
明田川 正人 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10231854)
若林 公宏 富士ゼロックス(株), 生産技術部・課長
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キーワード | 表面テクスチャ / 校正用標準片 / 表面形状測定機 / 不確かさ / データ形式 / 幾何統計パラメータ |
研究概要 |
直交2方向の離散量子化データ構造を基本とした三次元表面凹凸形状データのデータ形式について内外の市販測定機を対象に調査し、測定機固有のデータ形式から標準的なデータ形式(SDFフォーマット)に書式変換するためのソフトウェアを作成した。さらに、SDFフォーマットの三次元データから表面の幾何特性を必要十分に定量化するための(1)振幅および高さ分布のパラメータ、(2)水平方向の間隔パラメータ、(3)混成パラメータ、(4)機能上のパラメータを選出し、定義と算出アルゴリズムを確定させた。続いて、ステンレス鋼と快削黄銅を素材としてワイヤ放電複合研作加工により等方性ランダム表面試料を製作し、各種測定機の測定不確かさを調査した。触針式微細表面形状測定機とAFMによる比較から、使用する触針やプローブのサイズが統計的な評価結果に差異をもたらすこと、触針荷重による表面変形は不可避であること、触針が届かないピット部を除けば触針先端の曲率半径による不合理な影響を幾何学的に補正できることを実証した。共焦点式レーザー顕微鏡と白色光干渉顕微鏡および光学式変位計の面領域走査型の表面形状測定機では、局所的な面素の急傾斜部で測定機特有の異常値が発生することを確認し、その異常値の識別アルゴリズムと補正値の算出法を新たに開発した。凹凸形状対応型の電子顕微鏡では、表層の物性を均等化する表面処理が不可欠であり、また、ピット部でのチャージアップ現象が測定データに不安定さを与えることを例証した。さらに、長波長域に含まれる不合理な振幅成分を減衰させるフィルタ基準の曲面回帰法とカットオフ波長の設定規範を提案し、広領域の測定データに有効であることを明らかにした。
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