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2000 年度 実績報告書

半浮上すべり送りねじの開発と応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12650140
研究機関信州大学

研究代表者

深田 茂生  信州大学, 工学部, 助教授 (70156743)

キーワード送りねじ / すべりねじ / 位置決め機構 / 空気圧 / 半浮上状態 / 円筒モデル
研究概要

すべり送りねじはボールねじや静圧ねじと比べて,摩擦損失が大きいという欠点を持つが,剛性や振動減衰性の面では格段に優れている.そこですべり送りねじの高剛性・低振動を生かしながら摩擦損失を低減する方法として、すべり面に接触面が分離しない程度の空気圧を供給し,振動減衰に有利な固体接触を保ちつつ、接触面間の負荷の一部を空気圧により支持する方法を提案する.本年度の研究ではそのような半浮上すべり送りねじの開発に向けた基礎データを得るために,すべりねじの接触を単純な円筒端面の接触にモデル化し,その摩擦特性と空気圧による摩擦低減効果の概略を把握した.
Tr32の台形ねじを単純化した円筒モデルを製作した.円筒モデル接触部形状は,外形32mm内径18mmの円環状とし,そのピッチ線上に幅3mm,深さ1mmのリセス部を作り,空気圧供給路を設けた.材質はねじ軸モデルをS45C,ナットモデルをりん青銅(BC6)とポリ四フッ化エチレン(PTFE)の2種類で製作し,荷重と空気圧および回転速度を種々に変えて摩擦トルクを測定する.実験条件は荷重F=0〜245N,供給空気圧Pa=0〜0.4MPa、回転速度N=20〜160rpmとして実験を行った.
実験の結果,F=147Nの時には空気圧を0.1MPa増加させるごとに摩擦力が38%ずつ低下し,F=196Nでは空気圧を0.1MPa増加させるごとに28%ずつ摩擦力を軽減することができた.これより空気圧によって摩擦損失を減少させることが可能であり,また空気圧を一定にした時の見かけの摩擦係数は,荷重を増すにつれてPa=0 MPaの時の摩擦係数に双曲線を描きながら近づくことが確認できた.空気圧の効果は,加える荷重と空気圧の割合により変化するので,荷重を測定しその結果をフィードバックして空気圧を制御することにより,摩擦トルクが常に一定な送りねじを実現できる.以上により,次年度に実際の半浮上すべり送りねじの設計製作を行うための基礎的データを得ることができた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 深田茂生,金光洋文: "半浮上すべり送りねじの基礎研究"日本機械学会2001年年次大会講演論文集. (発表予定).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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