研究概要 |
平成12年度に開発した液液二相流解析法を基に密度比が大きな気液二相流解析法を開発し,基本的な気液二層流間題に適用して手法の妥当性および精度を検証した。本年度得られた成果は下記の通りである。 1.平成12年度に開発した方法を基に大きな密度比(1000倍)の取り扱いならびに重力効果を導入し気液二相流へ適用可能な手法を開発した。大きな密度比の場合に重要となる圧力場の計算方法を工夫した。 2.垂直管内に液相の中に単一気泡を配置し,無次元数(エトベス数およびモートン数)を変化させたときの気泡の形状および終端速度について計算し,既存の実験結果および数値計算結果と比較して良好な計算結果(誤差数%以内で一致)が得られた。 3.垂直管内の液相の中に多数の気泡を配置し,ボイド率を変化させたときの流動形態の変化を計算し,既存の実験結果と比較して定性的に妥当な結果が得られた。定量的な比較については,引き続き実施の予定。 4.平成12年度および13年度の研究結果を踏まえて,開発した手法の問題点を整理し,次段階の研究の課題を以下のようにまとめた。 (1)液液二相流解析法においては,実用上重要となる界面活性剤の効果の導入が必要である。 (2)気液二相流解析法においては,特に密度比が大きい場合に圧力場の高速解法の検討が必要である。 (3)両者の解析法ともに計算精度および実用性の更なる検証が必要である。
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