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研究実績は以下のとおり.
本年度は高精度環境予測シミュレーションの基盤となるアプローチ手法に対する評価を重点的に実施した。アプローチ手法に対する要請は、空間精度の変更が容易に為されうること、エネルギ等の保存性を有すること、任意形状の流れ場に容易に対応可能であること、並びに計算量が少ないことの4点である。この要請を踏まえて、基本的なアプローチ手法として(1)可変精度線の方法、(2)仮想境界デカルト格子法を採用した。(1)に関しては、1つのパラメータを変化させることにより任意の空間精度が達成されること、及びエネルギ等の保存性も有していることが2次元のテスト問題(Taylor-Green型流れ)及び3次元一様等方性乱流について確認された。(2)に関しては、2次元(円柱)及び3次元(球)まわりの非圧縮性外部流を計算対象としてアプローチの適合性について評価を行った。その結果、デカルト格子法の短所である境界が格子線に一致しないような形状の流れ場においても従来の境界適合座標を用いたシミュレーション結果と遜色無い計算解を得ることができることが示され、また、階層的デカルト格子を用いることにより分解能を確保しつつ高効率に計算可能であることが示された。さらに、非圧縮性内部流れに対しても本アプローチを適用し、基本的な計算コードの評価を行った。その結果、流入流出を伴う流れに対して圧力場に数値振動が発生したために現在その振動除去に関する研究を実施中である。
これらの研究成果は、世界的に権威のある国際会議で発表され、これからの計算流体力学の1つの方向性を示すものであるとの評価を受けている。
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