メタンハイドレート生成技術を実用化させるために、生成には長時間を要することが挙げられる。そこで本年度では、メタンハイドレート生成に要する時間を短縮することを目的として研究を行なった。その結果、ガス状物質を添加することによって、生成速度を向上させる物質があることがわかった。ただし、どのような物質が生成速度を向上するのかは不明で、さらにそれは生成初期に限られる。段階的にガス供給を実施した実験によれば、生成速度向上のためにはガスの供給はできる限り連続的に行ない、高圧セル内の圧力低下を避けるべきであることが明かにされた。また、ガス供給を細いノズル等で行なうと、その内部でハイドレートの生成が行なわれ、詰まってしまうため生成速度の向上は見込めない。キセノンガスを用いることにより、生成速度の向上が見られる。しかし、生成されたハイドレートに取り込まれた気体の組成を調べる必要がある。生成速度は実験装置の形状に大きく影響されることが考えられる。
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