本研究では燃焼装置から排出される窒素酸化物の防除法として、高効率、省エネルギー的な方法を得ることを研究目的としており、このために13年度は従来のアンモニアラジカル法の結果を参考にしてラジカル注入還元法に焦点を絞り、アンモニアラジカルとともに水素ラジカルや炭化水素ラジカルの生成、窒素酸化物との反応についての検討を行って、以下の主な結果を得た。 (1)熱プラズマを用いてNH_3やH_2および軽油のラジカルを高効率で生成するための条件を求めるために、プラズマの温度によるラジカル生成の可能性を化学平衡計算により検討し、また熱プラズマジェットの温度を測定してアンモニアラジカルや水素原子の再結合の前に脱硝を進めるための温度条件、混入アンモニア、水素、軽油ミストの量、排ガスを注入するプラズマ位置などを検討した。 (2)各ラジカルを燃焼模擬排ガスに注入して窒素酸化物と反応させ、これを高効率で除去する条件を実験より求めた。とくに排ガス中の酸素の影響について考察した。 以上のように本研究では、アルゴンと微量のアンモニアや水素あるいは軽油ミストとの混合ガスをアーク放電でプラズマ化して、その高温場において解離によりアンモニア、水素、軽油ラジカルを効率的に生成させる条件を実験より求め、これらラジカルを排ガスと反応させて、燃焼排ガス中の窒素酸化物を還元除去する場合の最適特性を求めた。
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