研究概要 |
送水管は,管の形状や,センサ・アクチュエータ位置により,どのモードが不安定になるかをあらかじめ知ることができない.これは最大化する目的関数である閉ループ系の限界流速が,設計変数である管の形状やセンサ・アクチュエータ位置の連続関数になる保証がないことを意味しており,最大傾斜法や準ニュートン法のような傾斜に基づく数理計画的手法を用いることはできない. 本研究は,管と梁から構成される複合送水管に対して,梁の幅分布とセンサ・アクチュエータ位置を設計変数として,限界流速を最大化するように制御系と構造系の同時最適設計を行うものである.本年度は傾斜の情報を用いない最適化手法として,SA(Simulated Annealing)法による最適化を行った. 1.複合送水管の数学モデルを求め,そのモデルに対してLQG制御則によってコントローラを設計した.更に閉ループ系の限界流速最大化問題を定式化し,詳細なシミュレーションを行うことにより,梁の幅分布及びセンサ・アクチュエータの最適位置を明らかにした. 2.複合送水管へ制御力を印加するため,制御力の高いスラスタ装置の設計を行った. 3.1において開発した制御系を実装するためのプログラム開発を行った. 今後は上記研究結果を踏まえ,最適設計した複合送水管を製作し,理論と実験の比較を行い,構造系と制御系の同時最適設計法の妥当性を検証する予定である.
|