研究概要 |
本研究では,痛緩和座席シートの開発において,カオス振動の適用を提案している.平成12年から13年にわたり,基礎的データとして,筋肉の緊張緩和のための外的刺激が生体反応に与える影響を実験により調べている.さらに,カオス振動によって患部に圧迫力を与える腰痛緩和座席シート開発の研究を行っている. 1.平成12年には,身体を安静にした場合と一定周期の外的刺激を与えた場合において,筋電図及び心電図の計測を行った.さらに,得られた筋電図及び心電図に対して,周波数分析,最大リアプノフ指数の計算,主成分分析を行った.これらの結果より,安静状態と,外部から刺激を受ける場合での生体反応の相互比較を行った. (1)筋電図は安静状態においては周期性に加え複雑な振動成分を持つが,外部から周期的刺激を与えることで周期性が強くなることがわかった. (2)心電図は安静状態において安定した周期性を示し,外部からの刺激によっても,その周期性は乱されにくいことがわかった.しかし,心拍数よりも速い周期の外部刺激を与えることにより,心電図の周期は速くなることがわかった. (3)筋電図及び心電図において,生体反応の周期は,それよりも速い周期の刺激を与えることで速くなることがわかった. 2.平成13年には,筋電図,心電図とともに脳波の測定を同時に行い,筋肉の緊張緩和の際の快適さと生体反応の関係を明らかにし,さらに,腰痛緩和座席シートの開発を行う予定である.
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