研究分担者 |
山崎 義治 神戸大学, 工学部, 教務職員(教育職) (90174648)
服部 元史 神戸大学, 工学部, 助手 (00252792)
高森 年 神戸大学, 工学部, 教授 (10031098)
大坪 義一 近畿大学, 理工学部, 助手 (90257973)
小黒 啓介 大阪工業技術研究所, エネルギー環境材料部, 室長(研究職)
|
研究概要 |
本研究では、ICPFアクチュエータに関して、(1)イオン移動に基づく,設計制御のためのモデリング(電界によるイオン移動,水分子の移動・拡散、慣性力,水分による膨潤収縮,静電力,コンフォメーション変化などによる分布的内部応力の発生をモデリング),(2)電界パターンの設計(電界パターンを設計し,内部応力を分布的に制御することを可能にし、自由な分布的変形運動や力発生を産み出す),を目的として研究を行っている. 本年度はアクチュエータのモデリングを中心として研究を遂行し,下記の成果を得た. 1.イオン移動,水移動・拡散のモデリング 電気化学的方法で,電解によるナトリウムイオンと水和による水の移動を,拡散や粘性抵抗を考慮してモデリングした. 2.慣性力,膨潤・収縮,静電力,コンフォメーション変化のモデリング 水による膨潤・収縮,静電力による横ひずみを慣性力の影響とともにモデリングし,アクチュエータが運動する原理を数理モデルで表現した. 3.粘弾性特性のモデリング 有限要素法により,粘弾性特性をモデリングした. 4.理論式の数値解法 以上の式を差分法によって離散化し,安定に解くための数値解法について検討を行った. 5.シミュレーションプログラムの作成と有限要素解析ソフトへの組み込み 数値解法を実装し,商用有限要素解析ソフトによる構造解析と組み合わせて数値解析を可能にした. 6.実験によるパラメータ同定 粘弾性パラメータ,水による膨張率を実験的に同定した. 7.実験によるモデルの検証 実験とシミュレーション結果とを比較した結果,本モデルが定性的にアクチュエータの現象モデルとして妥当に機能することが確認された. いくつかのパラメータの同定については,今年度中には完了することができず,来年度の課題として残された. 以上のように,初期の研究目的を果たすための基盤を作ることができた.
|