研究概要 |
本研究で明らかにしたことを、以下にまとめて示す. (1)板などの柔軟な物体が狭いスリットに吸込まれる場合に,その尾端が激しく振動するスパゲティプロブレムと呼ばれている不安定振動が発生する.本研究はその励振メカニズムを解明するために,multibody dynamicsに基づく数値シミュレーションモデルを構築した. (2)モデル化手法の妥当性を調べる為に、実験装置を組立,行った実験結杲を、数値シミュレーション結果と比較した.その結果、実験・数値シミュレーションともに、吸込み過程終盤における振動の急激な増大が観測され、かつ、その挙動が良く一致していることを確認した. (3)さらに,吸込み口のギャップの大きさが柔軟梁の動的挙動に及ぼす影響についても実験と数値シミュレーションを行った.それらの結果から、モデル化手法の妥当性が確認され,吸込み口の剛性が励振メカニズムに大きな影響を与えることを明らかにした。 (4)これまでの吸い込み口と移動柔軟体の弾性衝突を含んだ力学モデルに,さらに軸力の効果と移動柔軟体振動と周りの流体流れとの流体・構造連成の影響を考慮した,より厳密な力学モデルの構築を行い、流体流れの安定性への影響を明らかにした.
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