研究概要 |
本研究では3次元空間に加わる力をベクトル的に測定するジャイロ式力測定器の開発を目的としている。すでにジャイロ式力測定器(以下単にGFMSとよぶ)の力学的解析と誤差解析をシミュレーションにより考察し,誤差の限界と力測定器としての実現可能性について明らかにしている。 本報告では,GFMSの実用化への第1段階として,力の入射方向を推定するサーボ機構の部分を除いた力測定器のみを備えたGFMS本体を試作し,力測定器としての基本特性を検討している。 その結果,つぎのことを明らかにしている。 (1)入出力特性に不感帯があるものの,力測定器としての特性は実計測範囲(0.2〜0.6[N])において線形性が満たされ,ほぼ満足であった。 (2)微小な力測定であるために,感度を上げるために角運動量を小さく設計している。そのため,出力軸まわりの不平衡質量の影響により,測定データに定常振動現象が出現した。その振動数と出力回転数との関係を明らかにした。 (3)微小な力測定器として機能させるために,構造上に限界があり,今後解決しなければならないGFMSの問題点を明らかにした。
|