研究概要 |
1)オペレータによる操縦に的確に反応する脚相管理歩容 オペレータの指示する速度がある一定限度を超えたときに,脚の復帰動作が間に合わずに推進動作が停止する問題が前年度の研究で明らかになっていた.本年度はこの点の解決を特に重点を置き,集中的に研究を行った.その結果,これまで提案してきた脚相管理歩容ときわめて親和性の高い,かつ効果的な方法の開発に成功した.この方法の主要な部分は以下の通りである. (a)ベースとなる脚相管理歩容とは,脚が可動限界に到達して推進動作が継続不可能になる時刻を予測し,それに基づいて脚の復帰動作開始タイミングを決定する手法である.この手法は,脚の機械的な可動限界到達までの時間と,可動限界からの復帰に要する時間を比較し,継続的な推進動作を実現しようとするものである. (b)しかしながらオペレータの指示速度が過大で,脚の動作タイミングの制御のみでは推進動作の継続性が維持できない場合,速度指令を強制的に小さくすることにより,機体が実現可能な範囲内で最大の速度が出せるようにする. この二つの手法を併用することにより,制御対象である脚車輪型ロポットを不整地上で継続的に動作させることに成功し,また速度指令が一定の場合については,脚の復帰動作を最小限に抑えた効率的な推進動作が実現できることを確認した. (2)安定性を考慮に入れた脚相管理歩容の拡張 上述の脚相管理歩容を,任意に設定した転倒安定余袷を確保しながら継続的推進動作が可能なように拡張した. (3)実験による検証 以上の成果を,昨年度試作した実験機にて実現し,目的の性能が得られることを実験により確認した.
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