研究概要 |
本研究の目的は,無制限に深い穴を高精度で加工できるロボットを開発することである.ロボットは,カウンターボーリングヘッド,前部アクチュエータユニット,ビルトイン方式モータ,後部アクチュエータユニットおよびロボットのローリング自動修正機能付き送りユニットから構成される. 本年度はロボットの開発に関し次の5点で実績を残した. 1.ロボットを,ローリング自動修正機能付き送りユニットをローリングの自動修正を行うローテーションストッパおよび送りユニットに分離した形で製作した. 2.カウンターボーリングヘッドをビルトイン方式モータで駆動できた.駆動時のビルトイン方式モータの発熱温度は,回転開始45分で定格回転数60rpmおよび最高回転数80rpmでそれぞれ17℃および23℃であった. 3.ローテーションストッパおよび送りユニットを,圧電アクチュエータおよびレバーを用いるインチウォーム方式で動かすことができた.ローテーションストッパの最高回転速度は0.15°/s,送りユニットの最高移動速度は0.14mm/sであった. 4.姿勢検出法および誘導法がほとんど同じレーザ誘導方式深穴加工工具およびレーザ誘導方式深穴評価プローブでの穴加工実験および測定を通し,ロボットを誘導しながら穴加工が行える見通しが立った. 5.モデル工具を用いた旋盤での直径110mm筒の中ぐり加工実験で,切削領域直径20mm円内の平均温度上昇は回転数60rpmおよび270rpmで,それぞれ2℃および25℃であった.被削材はジュラルミン(JIS A2017-T4)で,切り込みおよび送りをそれぞれ0.5mm,0.05mm/revで一定とした.
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