研究概要 |
平成12年11月までに留萌郡鬼鹿元浜にがいしの曝露試験所を作り 試験用がいしの曝露を開始した。がいしの汚損が飽和状態なる3ヶ月後の2月からデータの収集を始めた。曝露試験場は、架設足場用パイプによる試験用碍子を架設する高さ約6mの棚を作り、これに材質の異なる3種類のポリマー碍子(Silicone rubber,EPDM,EVA)、形状の異なるシリコーンゴム製複合碍子(同径笠、段違笠)および各種磁器碍子をつり下げ海風や着雪に曝した。この試験場は波打ち際から直線距離で80m離れていて、国道を挟んでいる。拭き洗いによるがいしの汚損度測定は、11月〜4月までの冬期間は洗浄水が凍るため出来ない。がいしの汚れを電気的にリアルタイムで測定するために、長幹形状のポリマーがいしの笠5枚の部分に100Vの直流電圧を印加して直流漏れ抵抗を測定している。この試験用棚に気象観測用の、温湿度計、風向計、風速計、感雨計、雨量計、日射計、を設置した。しかし、感雨計、雨量計、日射計に関しては、更に冬季用の対策が必要であることが分かった。試験用棚から5m程度離れた位置にポールを建てて、ラン経由監視カメラを設置して、試験用がいしの冠雪、着氷、つららの発生状態を1日3回メールで研究室へ送り、監視している。試験用棚の横に2坪程度の物置を設置し、直流電源、データ収集用DMM、パソコン、ルータを設置した。観測用パソコンを北見の研究室から遠隔操作すると共に、定時のデータはこのパソコンからメールとして研究室へ送っている。 今回の冬期間の観測データは、昼と夜の気温の変化に伴い直流漏れ抵抗が変化すると共に、風向の影響は明白で、湿気を含んだ海からの風が吹く時は直ちに抵抗が低下した。がいし材料の違いによる抵抗特性の違いは、今後の気象変化の中で明確に現れるものと思われる。
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