研究課題/領域番号 |
12650262
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
菅原 宣義 北見工業大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (50003215)
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研究分担者 |
保苅 和雄 北見工業大学, 工学部・電気電子工学科, 助手 (10003211)
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キーワード | ポリマーがいし / 撥水性 / 直流漏れ抵抗 / 絶縁低下 / 汚損 / 着雪 / 海塩 / 塩雪害 |
研究概要 |
平成12年度から留萌郡小平町字鬼鹿元浜にがいし曝露試験場を構築して、各種試験用がいしの塩雪害環境下での曝露試験を行っている。曝露試験場は架設足場用パイプで製作し、試料がいしを架設する高さ約6mの棚に、材質の異なる3種類のポリマーがいし(シリコーンゴム、EPDM、EVA)、形状の異なるシリコーンゴム製複合がいし(同径笠と段違笠)および各種磁器がいしを吊り下げて海風や着雪に曝した。また、今年度は、配電用磁器製耐張がいしの向きと直流表面抵抗変化を観測した。更に、曝露試験場から内陸に750m入った所にある北海道電力株式会杜の変電所構内に設置してある250mm懸垂がいしで製作したセンサーがいしの直流表面抵抗特性と曝露試験場の同じセンサーがいしの直流表面抵抗特性を比較検討した。この試験場は、波打ち際から直線距離で80m離れていて、国道を挟んでいる。昨年に引き続いて、がいしの汚損度測定をふき洗い法で平成15年12月上旬の観測まで毎月ほぼ定期的に行った。平成15年12月26日以降パソコンによるISDN回線使用ラン接続による曝露試験場内のパソコンからのデータ回収ができない状況になった。平成16年1月21日に曝露試験場に定期点検に行き、電源回路とISDN回線が雷の急峻電圧浸入によって破壊されていることを発見した。その時点では、電源がないので各種観測機器の破損状態が不明のため、次回(平成16年3月2日)までに電源回路復旧の各種機器と資材を調達することとした。復旧資材の調達に時間を要すると共に出張を計画しなければならなかったので、平成16年3月2・3日に曝露試験場の電源回路を復旧し、各種観測機器やパソコンの破損状態を調べたところ、殆どの観測機器とTSDNルータと電気回線の破損を確認した。破損機器を大学の研究室に持ち帰って修理の可能性の有無を検討中であるが、時間が掛かっても曝露試験場を再開予定である。本年度の観測結果としては、塩雪害環境下での絶縁は、海からの風による海塩付着の他に、風による雪の飛来が汚損表面の湿潤を発生させ、絶縁低下の要因の一つとなっていることが分かった。また、内陸にある変電所構内と海岸近くの曝露試験場内での表面抵抗特性には明らかな差があり、海の影響の大きさを示していた。配電用耐張がいしの笠下面を陸側に向けた場合は、雪や雨による洗浄効果の少ない耐塩形高圧耐張がいしの表面抵抗は雨洗効果のある高圧耐張がいしの表面抵抗よりも低い値を維持する時間が長くなった。高圧耐張がいしは海側に向けて設置すると表面抵抗が低下しやすいが陸側に向けて設置すると表面抵抗が低下しづらかった。耐塩形高圧耐張がいしは設置方向による表面抵抗への影響が少ない事が分かった。
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