交付決定が遅く、平成12年12月に補助金が交付されたため、今年度は実験装置製作に必要な部品購入と計測に必要な器財の購入など実験準備が主であった。これとは別に、シミュレーションにより基礎的な検討を行った。その結果、以下の知見が得られた。 (1)タップ切換回路の双方向電子スイッチの転流に際して、短時間、回路の短絡や開放状態が発生し、それに伴い過電流、過電圧現象が生じる可能性がある。これらの現象を特性する転流法を検討し、適切な転流制御により、防げることをシミュレーションにより確認した。 (2)電力系統電圧に3次高調波が含まれる場合、タップ切換回路でそれとは逆位相の第3高調波を系統に注入するように制御すると負荷電圧には第3高調波が含まれないようにできる。しかし、このとき第5高調波が増加することがわかった。 (3)上記の結果を踏まえ、 ・第3調波を除去する制御法の確立と実験による検証 ・高周波スイッチングに伴うスイッチング損失を低減するソフトスイッチング法などを次年度の検討課題にしたい。
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