500℃を越える高温領域での直流高電圧に関する絶縁特性を評価するための基礎検討として、絶縁抵抗および部分放電を測定するための電極を試作し、窒素雰囲気中で種々の絶縁特性を測定した。供試試料として直径100mm厚さ1mmの円板状アルミナセラミックス絶縁材を用いた。以下に結果の概要をまとめる。 (1)沿面距離10mmで放電開始電圧は4.6kVであったが、温度上昇とともに低下し700℃では3.9kVであった。最大放電電荷量は増加するものの、500〜600℃に比べ600〜700℃で大きな変化はなかった。 (2)供試試料では部分放電がほとんど沿面で発生し、バルク内からの放電は測定できないレベル以下であった。 (3)部分放電は時間に対してランダムに発生するが、ある程度のサイクリック特性がある可能性が観測された。 以上のように高温下での直流高電圧絶縁特性について測定例は得られたものの、さらに高電圧が印加できるような電極形状のさらなる工夫および放電パターン統計処理の必要性が結果として導かれた。
|