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2001 年度 実績報告書

主回路をハイブリッド化し電磁障害を低減する新方式多重化電力変換装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12650268
研究機関千葉大学

研究代表者

佐藤 之彦  千葉大学, 工学部, 助教授 (50205978)

キーワード電力変換器 / 電磁障害 / 高調波 / 多重化変換器
研究概要

本研究では,主たる電力を取り扱う低スイッチング周波数の主ブリッジと,入力電流波形改善機能を担う小容量の高スイッチング周波数の副ブリッジを並列多重化し,大電流の高速スイッチングを避けることにより,発生する電磁ノイズの低減が期待できるハイブリッド方式のPWM整流回路の開発を行なった。
まず,ハイブリッド方式を電圧形PWM整流回路に適用する場合の基本的な制御回路構成を示し,実験装置を製作した。実験的検討により,単独のブリッジ回路で構成される従来形のPWM整流回路を高スイッチング周波数動作させた場合と同等以上の入力電流波形改善が可能であることを確認した。次に,同等の入力電流波形が実現できる条件において,提案するハイブリッド方式と通常方式のPMW整流回路の発生する電磁ノイズ(放射性ノイズ,伝導性電圧ノイズ,伝導性電流ノイズ)を実測した。その結果,ハイブリッド化は放射性ノイズの低減に特に有効であることが確認された。また,伝導性ノイズについては,一部の周波数帯域で低減効果が認められた。
次に,電磁ノイズ低減のメカニズムを解明するために,バルブデバイスとして用いるIGBTを単独でスイッチングさせた場合の発生ノイズの電圧,電流およびスイッチング周波数依存性を実測し,ハイブリッド化により大電流の高速スイッチングを避けることの有効性の裏づけを得た。さらに,システムの設計指針を得るために,主ブリッジの発生するキャリヤ高調波の振幅を理論的に算定する簡便な方法を考案し,これを用いることで主ブリッジのスイッチング周波数と副ブリッジの所要容量の関係を明らかにした。また,大電流の高速スイッチングを避けることから,バルブデバイスのスイッチング速度を低下させた場合についても効率の影響が少ない特徴を生かし,IGBTのゲート抵抗を大きくしスイッチング速度を意図的に下げた場合の電磁ノイズについても実験的な検討を行ない,さらなるノイズ低減の可能性があることを明らかにした。
以上の成果により,本方式の有用性の実証および設計指針の確立に向けて必要な検討が一通り完了したと判断し,実用化への見通しが得られたと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 河村恒毅, 横山拓馬, 佐藤之彦: "電圧形ハイブリッドPWM整流回路における電磁ノイズに関する実験的検討"平成13年電気学会全国大会講演論文集. 4. 1326-1326 (2001)

  • [文献書誌] 河村恒毅, 中小路元, 横山拓馬, 佐藤之彦: "主回路のハイブリッド化による電圧形PWM整流回路の電磁ノイズ低減に関する実験的検討"電気学会半導体電力変換研究会資料. SPC-01-55. 111-116 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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