研究概要 |
1.低温マイクロキャビティ放射体の放射特性の測定および数値解析との比較検討:研究代表者の担当 (1)KrFエキシマレーザを用いて,厚さ1μmのタングステン箔(35mm×35mm)の中心領域8mm×8mmに直径5μmの円筒キャビティを10μm間隔に合計6,400個加工した。タングステン箔は石英のガラス基板にタングステンを蒸着して作製した。タングステン箔の作製およびレーザ加工は(株)篠崎製作所(東京都品川区北品川3-6-2)に外注した。 (2)製作したマイクロキャビティ放射体のマイクロスコープ観察試験をした。直径5μmの円開口キャビティのカットオフ波長は約9μmであり,このカットオフ波長の放射が最大になる温度は約320Kである。そこで,この試料を300〜700Kに加熱して,分光放射発散度を測定した。測定は東京都立産業技術研究所に依頼した。 (3)現在,上記の測定結果を詳細に分析し,かつ理論解析の結果とを比較して,作成したタングステンマイクロキャビティ放射体のカットオフ特性を検討している。 2.タングステンの複素屈折率の測定と表皮長の評価:研究分担者の担当 本年度は,昨年度構築したエリプソメトリーを用いて板状タングステンの複素屈折率を測定し,構築したエリプソメトリーが復素屈折率を高精度で測定できることを検証した。使用したレーザはHe-Neレーザ(波長:633nm,現有)とCWグリーンレーザ(波長:532nm,本科研費で購入)である。現在,常温の分散液中に浮遊させた超微粒子にレーザ光を照射し,その散乱光の偏光状態から浮遊微粒子の複素屈折率を測定するミー散乱エリプソメトリーの構築と測定を実施中である。
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