研究概要 |
本研究に関して得られた結果は次の三項目に大別できる。(1)従来はバッテリー正極のみが活性化されると考えていたが、負極も活性化されることが判明した。(2)黒鉛粒子のSTEM(ScanningTransmissionMicroscope)画像を得ることが出来た。(3)黒鉛の陽極酸化で得ている、本課題のカーボンコロイドを逆浸透膜で濃縮し、この膜の濾過中(液はオレンジないし褐色、これの100〜200倍に希釈液が植物の成育に効果があることが判明)に更に細かな物質があることが解り、現在その分析が進行中である。 (1)に関しては、カーボンコロイドの生成初期の過程から液のボルタンメトリーを行い、生成初期には還元によるドーピング電流を検出した。また従来使用しているコロイドを希釈したところ、同じく還元によるドーピングを観測した。これらの還元ピークは電極に蓄積するコロイドの妨害により測定中減少してしまうので、従来は見つからなかった。 (2)カーボンコロイドをSTEMのdark filedで画像を得ることに成功した。得られた像は、約、2×4nmであった。この結果はこれまでに得られた、AFMやラマンスペクトルの結果と一致している。 (3)逆浸透膜濾過液は、液を枯渇してFTIR、NMR等の測定を行った。現在判明していることは、-OHや-COOHが存在すること、-COOHは芳香族環に結合していることである。これらについては現在検討中である。 本研究の成果は、Mol.Cryst.Liq, Cryst.に投稿中であり、更に、J.Power Sourcesへの投稿準備中である。
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