研究概要 |
本研究では,本年度以下検討を行った。 現有の三相ハイブリッド形ステップモータ(ステップ角3.75°)を用いて,固有振動を抑制可能な駆動システムの実験装置を設計・製作した。実験装置には,転流時の固有振動現象を測定するために,モータ回転軸には高分解能のロータリエンコーダ(2400P/R)を取り付けている。実験に使用する駆動システムは,従来の定電流開ループ駆動と基本的には同じ構成であるが、モータの電圧信号からセンサレスで回転方向を検出検出する点に特徴がある。転流信号を与えてからこの回転方向信号が得られるまでの時間を測定することにより固有振動周期を測定し,この周期をベースに最適な転流タイミングを与える。最適転流タイミングを用いた2ステップ応答により,固有振動をほとんど抑制できることを確認した。さらに,負荷慣性や機械摩擦が変化しても無調整で良好な固有振動抑制効果が得られることを実験により確認した。 また,ディジタルシミュレーションにより,センサレス回転方向検出の特性ならびに2ステップ応答の動作特性を検討した。その結果,実験結果と同様な駆動特性波形を得ることができている。次年度は,このディジタルシミュレーションと実験との両面から,移動距離,移動方向,回転速度を変化いてもすべての場合で固有振動を抑制可能な転流パルス生成法を開発する。
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