研究概要 |
本研究の目的は,極短パルスレーザによって生成されたフィラメント状プラズマの生成メカニズムとそのプラズマによる直流電界下での放電誘導特性を明らかにすることである。本年度は、その予備実験を行い、シミュレーションの妥当性を検討した。 大気中でのプラズマ生成のメカニズムを解明するために,パーティクルカウンターで大気中電極間のエアロゾルの粒径分布と湿度,天候との関係を調査した。また,生成されたプラズマ粒子密度分布との相関性を調べるための実験を行った。次に,このエアロゾルの粒径分布のデータとレーザの出力,パルス幅からプラズマ密度をシミュレートする理論モデルを構築した。この理論モデルは,逆制動輻射の理論に基づいて完成した。このモデルにより,従来,説明できなかった,次のような現象を説明できることが分かった。 (1)レーザがレンズにより集光されたプラズマを生成する際,焦点より手前でもっともプラズマが生成されやすい。 (2)エアロゾルの粒径分布により,生成されるプラズマ粒子密度を定量的に予測できる。 今後は,更にボルツマン方程式を加味して,発展させる予定である。
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