研究概要 |
本研究の目的は,フィラメント状プラズマの生成メカニズムとそのプラズマによる直流電界下での放電誘導特性を明らかにすることである。実験と計算機シミュレーションにより、その基礎実験を行った。 大気中でのプラズマ生成のメカニズムを解明するために,パーティクルカウンターで大気中電極間のエアロゾルの粒径分布と湿度,天候との関係を調査した。また,生成されたプラズマ粒子密度分布との相関性を調べるための実験を行った。次に,このエアロゾルの粒径分布のデータとレーザの出力,パルス幅からプラズマ密度をシミュレートする理論モデルを構築した。このモデルは,逆制動輻射の理論を経験則で置き換えたもので、レーザがレンズにより集光されたプラズマを生成する際,焦点より手前でもっともプラズマが生成されやすいこと。エアロゾルの粒径分布により,生成されるプラズマ粒子密度を定量的に予測できることなどが計算できる。 また、XeClエキシマレーザ生成弱電離領域中のリーダ進展の観測ならびに寿命測定実験の結果、弱電離寿命はレーザパワー密度と電界に依存すること。エキシマレーザ生成弱電離領域が存在する場合、高圧電極から約15cm離れた位置でミッドギャップリーダとしてリーダが開始し、その後高圧側と接地側の両方向にリーダが進展することなどが分かった。
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