研究概要 |
本研究の目的は,極めて簡単な回路構成によりソフトスイッチングを実現し,高効率で,伝導及び放射ノイズの発生が少なく,電源電流の高調波の発生が少ない,即ち,省エネと電磁環境保全を達成する環境に優しいソフトスイッチング高力率AC/DCコンバータを開発し,その設計指針を明確にすることである。 この目的で,スイッチング素子を増やすことなく,共振用コンデンサ1個のみを接続する極めて簡単な回路構成で,高力率とソフトスイッチング化を同時に達成する複共振ソフトスイッチングAC/DCコンバータを開発した。そこで本年度は以下の計画をたてていた。 (1)回路の製作:電源電圧100[V]で動作可能な本ソフトスイッチングAC/DCコンバータの製作を行う。 (2)実験によるデータ取得:上記製作のAC/DCコンバータの実験を行い,入力力率,出力電圧,出力リプル等の基本的なデータを取得し,回路の動作特性を解明する。 (3)解析と設計指針の明確化:本回路の解析を行い(2)で得た実験結果と比較・検討を行い,設計指針を得る。 以上の計画のうち(1)および(2)を遂行し,これらの結果をまとめ電気学会の半導体電力変換研究会で発表することが出来た。計画(1),(2)を遂行中に本回路と違う原理で動作する新しい高力率ソフトスイッチングコンバータを見いだした。この回路は特に回路部品を増やすことなく,連続,不連続の両動作モードでソフトスイッチングと高力率を達成出来る特長を有する。この成果を電気学会全国大会及び電子情報通信学会全国大会で発表した。この新しい回路をも検討しているため,(3)の計画は若干遅れ,最終結果を得ておらず,来年度に持ち越しとなったが,鋭意努力中である。
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