研究課題/領域番号 |
12650313
|
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
田中 一郎 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (60294302)
|
研究分担者 |
榊 裕之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013226)
|
キーワード | 量子ドット / 自己形成 / InAs / RTD / 共鳴トンネル効果 / 原子間力顕微鏡 / 導電性探針 / GaAs |
研究概要 |
1.単一の量子ドットを含む共鳴トンネルダイオード(RTD)の製作とその電流・電圧特性の測定 2の技術を用いて、密度が10^8cm^<-2>台の低密度InAs量子ドットを作製したのち、その上にGaAsバリア層と金属薄膜を形成し電子線微細加工を用いて0.5μm^2の大きさにパターニングしてマイクロRTDを製作した。このRTDの有効面積に含まれる量子ドットの数は平均0.12個であるため、原子間力顕微鏡の導電性探針を電極に接触させて電流・電圧特性を測定することにより単一量子ドットの特性を評価することができる。実際、このようにして得られた温度130゜Kでの電流・電圧特性には電圧0.5V付近で顕著なコンダクダンスの減少が観測された。これは単一量子ドットを介した共鳴トンネルによるものと考えられる。 2.InAs自己形成量子ドットのサイズ・密度の高精度制御 分子線結晶成長法によるGaAs(001)基板上へのInAs自己形成量子ドット成長条件をコントロールすることによって、量子ドットの大きさおよび密度を広範囲に精度良く制御できる技術を開発した。具体的には成長温度を410から530℃、InAs供給量を1.8から3.0MLの範囲でそれぞれ±5℃および±10%の精度で制御し、また熱処理を組み合わせることによって、形成されたInAsドットの平均直径を15から45nm、密度を10^8cm^<-2>台から10^<11>cm^<-2>台の間で制御することが可能になった。 3.InAs自己形成量子ドットの表面ポテンシャル測定 走査Maxwell応力顕微鏡を用いてInAs量子ドットの表面ポテンシャルを直接測定し、直径が100nm程度のドット表面では周囲に比べて50mV程度ポテンシャルが低下していることを見い出した。
|