研究概要 |
13年度,ZnO-In_2O_3系の膜に不純物ドープについて検討した。In_2O_3のなかにZnOの組成を増していくと,In2O_3の相からアモルファス相があらわれ,ついでホモロガス相(結晶相),ウルツアイト相(ZnO結晶)があらわれる.これはAlの添加量にあまり依存しなかった.キャリア移動度への影響はAlの添加の有無にはあまり変化しなかった.しかし,キャリア密度はアモルファス相でキャリア密度が増大するが,ホモロガス相では低下することがわかった.この傾向はアモルファス相でZnの割合が多い領域で顕著であった.アモルファス相ではホモロガス相とは異なりZnとInの相関が無いためZn位置をAlが置換するのに制限が小さくなることで,Alがドナーとして働くことがわかった.ITOターゲット(SnO_210_<wt>%)とZnOターゲットのスパッタによりSnのドープを行ったが,これによるキャリア密度の増加は認められなかった.これに関しては10wt%が多すぎるレベルであるかも知れない. 2次元成長を促進するようなZnO : Al成長時における不純物添加効果についても引き続いて検討した.ZnO : AlとZnO層を分離した形でCr, Mn, Coの不純物を添加してみたが,いずれもキャリア密度の低下を引き起こし,結晶粒成長促進は同時スパッタほどなかった.12年度の同時スパッタの方が影響が大きいことがわかった.
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