研究課題/領域番号 |
12650322
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 寛 日本大学, 理工学部, 教授 (90130632)
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研究分担者 |
岩田 展幸 日本大学, 理工学部, 助手 (20328686)
早川 建 日本大学, 理工学部, 教授 (00130584)
佐藤 勇 日本大学, 理工学部, 教授 (30013387)
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キーワード | C_<60> / 超薄膜 / 低次元 / エピタキシャル / 超伝導 / FET |
研究概要 |
本年度次の二つの目標が掲げられ、えられた成果は以下のとおりである。 1)金超薄膜上に化学吸着機構により形成される自己組織C60単分子膜を高分子化し、金属/π電子相互作用をベースとしたまったく新しい2次元的電子伝導系の創製 金に対するSN基の強い吸着作用に着目し、SN基を付加したC60誘導体による自己組織単分子膜(SAM)の形成を試みた。室温下での吸着反応は自己停止的であり、約15時間でC60誘導体薄膜成長は飽和する傾向を示した。えられた膜のXPSによる組成分析、表面観察の結果から、約2nm厚程度のC60誘導体膜がSAMとなって金表面を覆っていることが示唆された。 特に、AFM表面観察によって次の結果がえられた。約千℃で熱処理されたMgO(100)単結晶表面上に形成された金超薄膜を下地とした時、ステップに沿ってC60SAMは特異な1次元配列を示した。さらに、700℃処理基板上では2次元的なSAMが金超薄膜上に形成出来ることが確かめられた。 2)分子線エピタキシー法により、ナノメーターオーダーのC60超薄膜を作製し、誘電体薄膜との積層構造を構成し、FET構造に基づく超伝導発現の検証 天然マイカ上に、MBE装置によってC60超薄膜を形成した。蒸発量をクヌードセンセルによって制御し、基板温度を精密にモニターすることによって、再現性の高い安定した成膜が可能となった。特に、再蒸発限界温度である約200℃付近では、(111)面のエピタキシャル成長とステップ・テラス構造を持つ良質な超薄膜が作製できた。こうした膜に対して電界印加による伝導性、超伝導発現等の可能性を現在検討中である。
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