研究概要 |
プローブ光と位相共役光の偏波を直交させる,直交偏波4光波混合の実験中にそれ迄の知識では説明のつかない現象を観測した.それは読み出し光(ポンプ2)を照射したまま,書き込み光(ポンプ1とプローブ光)をしゃ断すると一般にはゆるやかに回折光(位相共役光)が減少していくが,しゃ断直後一時的に増大する場合のあることを観測した.またその減少には2つの時定数が関与していることを発見した. これを説明するため数種のモデルを検討した結果,(1)正と負のキャリア(正孔と電子)の両者が存在し,(2)一方のキャリアによる空間電荷電界が劣勢でかつその時定数が短い場合に観測されることを理論と実験の双方から明らかにすることに成功した. このような現象は光信号分配器にとっては望ましくないと考えられる.これを避けるためには正・負どちらかのキャリアのみが関与するフォトリフラクティブ結晶が望ましいことが明らかになった.
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