研究課題/領域番号 |
12650333
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
馬場 一隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10192709)
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研究分担者 |
松浦 祐司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10241530)
宮城 光信 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90006263)
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キーワード | 島状金属薄膜 / ナノクラスター / 偏光フィルム / 光メモリ / 追記型光ディスク / 波長多重 / 導波路型偏光子 / 人工異方性媒質 |
研究概要 |
本研究の目的は、金属ナノクラスターが示す共鳴吸収特性、光学的非線形性、複屈折性をはじめとするバルク状の金属には見られない特異な性質を積極的に応用して、光技術の分野で有用な新しい光デバイスや光集積回路技術を開発することにある。本研究では、主として高出力レーザを用いた局所加熱技術を用いてトリミングやパターン化を行う事により実現できる、新しい原理に基づく高性能な光デバイスの原理確認実験を第一の目標としている。本年度は特に、引き延ばし法による超薄型偏光フィルムとそのパターン化技術、波長多重三次元追記型光ディスクメモリについて基礎研究をすすめ、また、関連して、金属に限らず誘電体・磁性体等の微細構造に基づく新しい光デバイスの提案も行った。 先ず、超薄型偏光フィルムについては、波長800ナノメートル用の素子については、消光比30dB以上の素子を試作するとともに、この超薄型偏光フィルムの光学的異方性が600℃以上の加熱により緩和される現象を利用し、炭酸ガスレーザ光を用いたレーザライティングにより数十ミクロンから数ミリの範囲で、円形や矩形パターンニングを行った。この技術を用いる事によってスポットサイズ切替器や、スイッチング可能な空間変調器の実現が可能である。 波長多重三次元追記型光ディスクメモリについては、2段階蒸着法により製作される複合島状金属薄膜を記録媒質として用い、銀-金島状薄膜(波長800ナノメートル用)とアルミ-銀島状薄膜(波長500ナノメートル用)の多層膜を用いて2波長での追記型光記録が可能である事を示した。 また、誘電体交互多層膜、ポーラス構造薄膜、柱状構造薄膜といった人工異方性媒質を直接コアに装荷した新しい導波路型偏光子を提案し、その理論解析を行った。
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