研究概要 |
(1)ガンダイオード,ミリ波帯減衰器,ホーンアンテナ,ミリ波検出器等を用いて,液晶セルにおけるミリ波の透過特性を測定する装置を構成した。 (2)液晶分子が基板に平行に配向するような処理を行った基板と適当な厚みのスペーサ,及び正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用いて液晶セルを作製し,光波領域において基礎的な特性を測定することで液晶デバイスとしての各パラメータを把握し,ミリ波帯における液晶デバイスを構成するための指針を得た。 (3)光波領域における諸特性を参考として作製したネマティック液晶セルを用いて,ミリ波帯における透過特性を測定し,ミリ波の偏波特性と液晶分子配向との関係について考察を行った。 (4)2枚の平行平板状基板上にフォトリソグラフィにより回折格子状の電極を形成し,ネマティック液晶を封入することで回折格子状電極構造を有する液晶セルを作製した。この回折格子状電極に電圧を印加した場合のミリ波の透過強度変化を測定し,比較的小さい値ではあるが変調効果を得ることができた。 (5)ネマティック液晶セルを多層構造としてミリ波が液晶層方向に透過するような構造とすることにより,電圧印加に対するミリ波の透過強度変化を測定した結果,数10%程度の大きな変調効果を得ることができた。 (6)くさび形やレンズの形状となるような積層構造の液晶セルを作製し,電圧印加によるミリ波の透過特性に対する基礎的な測定を行うと共に,理論的な解析を行い実験結果と比較考察した。 (7)以上の研究結果を取りまとめ,問題点や改善すべき点等を検討し,特性の一次評価を行った。
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