研究概要 |
平成14年度は,昨年度に引き続き「感度不変ダイヤフラム縮小則」の確認実験とカテーテル先端型圧センサのプロトタイプの作製を行った。 感度不変ダイヤフラム縮小則とは,ダイヤフラムの短辺をa,長辺をb,厚さをtとしたとき,比a/bと比a^3/t^2を一定に保てば,ダイヤフラムを縮小しても感度は変わらないというものである。今年度は新たに幅2.5mm×長さ12.5mm厚さ49μmのダイヤフラムを有するセンサを試作し,昨年度の結果と合わせて3種類のセンサでセンサ感度を比較した。なお,3つのセンサとも,前述の比はa/b=0.2,a^3/t^2=6.5mと同じ値である。感度測定の結果,3つのセンサともセンサ感度は,ダイヤフラム中央の導波路において約70mrad/kPaとなり,「感度不変ダイヤフラム縮小則」に従うことが分った。 さらに,これまでの研究成果を基に,目標とするカテーテル先端型圧センサの20倍のサイズでプロトタイプの作製を行った。設計では,模擬カテーテルの直径を20mmφとし,長さ20mm中にセンサを収めることとした。そのため,センササイズを幅10mm長さ20mm厚さ300μmに設定し,ダイヤフラムサイズを幅1.5mm長さ7.5mm厚さ23μmとした。作製したプロトタイプはまだ不完全なものではあるが,センサ感度はダイヤフラム端の導波路において81mrad/kPaで,血圧計測に使用可能な感度を実現することができた。今後,ダイヤフラム縮小則に基づいてセンサを小型化することで,カテーテルに組み込み可能な超小型圧力センサを実現できるものと考える。
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