| 研究概要 |
現在の時系列デジタル信号処理では対処できないと予想される,超並列チャネルの時系列信号伝送や3次元ホログラフィ情報伝送の手法として,広いスペクトルを持つ広帯域光源のスペクトルに高い空間分解能をもつ2次元空間情報をアナログ変換により直接転写し(空間-時間変換),単一モードファイバ伝送し,再び2次元空間情報として再生(時間-空間変換)する方式を実験システムを構築して,その原理と性能について調べることを目的として以下の実験を行った.
(1)1次元空間位相変調器に空間的1次元の任意のデジタルデータ(振幅)に対応する計算機ホログラムを書き出し,さらにM系列符号を重ねる.この空間光変調器によって,フェムト秒レーザパルスの周波数位相を変調した.
(2)変調された光パルスと,別途M系列符号のみで周波数位相変調された光パルスをBBO非線型波長変換素子上で周波数干渉させることによって,2倍高調波パターンそのものが伝送された1次元空間パターンになることを確認した.
(3)空間的1次元データとして位相項までを再現できることを,読み出し2倍高調波の結像面を移動することで確認した.
(4)1次元の振幅と位相が伝送できることから,空間情報を振幅と位相で表示してそのホログラムを書きこんで伝送し,空間情報を再現する実験を行った.位相マスクのみでは,振幅と位相の両者を完璧に再現するホログラムの形成は難しいが,伝送特性そのものは十分に利用できることを実証した.
(5)単一モードファイバーを用いて,(2)(3)の実験を行った.自己位相変調がおき難いくらいままで擬似雑音化して伝送するので,非線型性の問題はなくなる.
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