研究概要 |
(1)繰り返し復号法では最小重み部分符号に対する再帰的最尤復号を用いた方法がある.再帰的最尤復号法は計算量が比較的小さいが,繰り返し復号法の計算量の大部分を占めている.そこで,最小重み部分符号に対する再帰的最尤復号法における計算量を減らすことができれば,繰り返し復号法の計算量も減らすことができる. 線形符号に対する再帰的最尤復号法では,部分語の尤度の表を合成するとき,表の中で尤度についての順位を利用することにより,合成する手続きの計算量を軽減する方法が提案されている.非線形符号である最小重み符号について,この方法が適用できた場合に,どの程度計算量を減らせるかを調べるために,表中の尤度に関する順位をシミュレーションを用いて測定した.シミュレーションにより得られたデータから,復号時,実際に使用されるデータは,尤度の順位が下位のデータはほとんど使用されていないことがわかった. (2)リードマラー符号について,硬判定多数決論理復号法と軟判定多数決論理復号法の誤り特性について詳細分析を行った.その結果正しく復号できない場合に,受信語から比較的離れた復号結果が得られることが多いことが分かった.そこで,受信語と復号結果との距離が閾値を越えたときに限り,誤り特性のよい復号法と組み合わせる復号法を提案した.この復号法では,誤り特性を保ったまま,計算量を減らすことができる. (3)前年度開発のプログラムを用いて符号長128,256,512の高符号化率のいくつかの符号についてその剰余類首の重み分布を求めた.
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