研究概要 |
12年度では、以下の研究を行いました。 (1)過去の研究成果を踏まえて、新しい資源割り当てモデルの設定を行いました。現実の(分散協調型)アプリケーションにおいて生ずるであろう資源競合の構図の定式化を行いました。そのモデル上に配されるプロセスやグループの動作,資源要求の形態などを従来の資源割り当て問題のモデルと比較しつつ検討しました。特に,ネットワークの通信路(資源)の帯域幅(量的要求)のように、一つの資源は、複数のプロセスに同時に利用され、各々のプロセスは、その資源の一定の量を要求したり、使用したりするようなアプリケーションを想定して、モデル化をしました。 (2)そのモデル上で,新に発生する(従来の資源割り当て手法で解決できない)新な問題(グループ間のデッドロック,グループの飢餓状態等)について,検討しました。 (3)より効率的に資源の利用をするための、割り込み手法を開発し、それを応用する資源割り当てアルゴリズムを開発しました。 (4)では,資源割り当てアルゴリズムを実装し,コンピュータ上でシミュレーションを試み,プロセスの数は、充分に多く,かつ,要求する量のばらつきが大きい時に,従来の研究より、かなり効率があがる結果がでました。 今度の研究結果をまとめて、論文誌への投稿中である。また、関連する資源割り当てに関する論文は、情報処理学会マルチメディア通信と分散処理ワークショップに採録され、The Excellent Paper Awardが受賞され,研究会推薦論文として、情報処理学会の論文誌へ推薦され,いま,その論文誌の投稿の準備中である。
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