1.HNRDガイドおよび方形導波管で構成される受動回路素子と立体集積回路の設計 (1)誘電体断面寸法の異なる2個のHNRDガイドからなる分布結合導波路の分散特性を横共振法で解析した。 (2)上記非対称構造を利用した分布結合方向性結合器を60GHz帯で設計し、平坦分配特性を実現した。 (3)約10%の比帯域幅を持つ2種類のHNRDガイドー方形導波管トランジションを60GHz帯で設計した。 (4)導波管/NRDガイド併用立体集積回路を一括設計するために、横共振法を拡張した解析法を提案した。実際に、HNRDガイドと方形導波管で構成される立体集積3dBハイブリッドを設計し、10%の比帯域幅を得た。 (5)溝の高さの異なる非対称分布結合HNRDガイド方向性結合器をHoL法を用いて設計し、上記(2)と同程度の良好な特性を実現した。 2.E面導波管回路素子と集積化導波管回路システムの設計 (1)集積化E面多分岐電力分配器の設計法を示すとともに、例として全X帯で平坦な分配特性を有する3および4方向電力分配器を設計した。 (2)同軸空胴に放射状に方形導波管を接続したnポート回路の解析/設計法を提案するとともに、導波管ラットレース回路の最適化に適用し理想的分布回路ラットレースと同等以上の特性を得た。 (3)E面方形空胴の4隅に45°斜めに入出力導波管を接続した極めて形状の簡単な3dBハイブリヅドを提案するとともに、E面平面回路法と素回路法を併用した最適設計ツールを作成し良好な特性の回路を設計した。 (4)上記ハイブリッド4個で構成した8ポートハイブリッドの回路形状を最適設計ツールで求め、K帯で約1.5GHzの帯域幅を有する回路、を得た。 3.H面導波管回路素子の設計 (1)H面多段ステップやテーパを利用することにより、複雑な整合素子が不要な簡潔構造のハイブリッドを、多線条等価回路法で最適設計し、XおよびW帯で比帯域幅30%以上の広帯域特性を実現した。 (2)上記(1)のハイブリッドを利用した8ポートハイブリッドの提案と多線条等価回路法による最適設計を行い、比帯域幅約20%の広帯域特性を実現した。 4.今後の課題 (1)導体損も考慮した設計ツールの開発 (2)ミリ波、サブミリ波のための新しい導波路の開発
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